Raspberlyのブログ

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Unityネタをメインとした技術系ブログです。にゃんこ大戦争や日常なども。そろそろブログタイトル決めたい

勉強会レポ : Unity Monetization コーヒーミートアップ

勉強会のレポート(メモ)です。
参加したのはこちら、「Unity Monetization コーヒーミートアップ」
会場はユニティ・テクノロジーズ・ジャパンさんです。

meetup.unity3d.jp

ハッシュタグ :#Unityコーヒーミートアップ hashtag on Twitter

 

 

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今回はブログ枠で参加させていただきました。

 

 

 

 

コーヒーを飲みながらということでカフェっぽい雰囲気

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1.「ことだま日記」の開発からリリース・運用までのお話 ~すけろく寿司の握り方~

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事例を交えながらどういうことをやったかお話します。

開発チームについて

Ske6(すけろく)です。去年から開発しています。
チーム結成はゲームジャムがきっかけです。

unityroomにアップしたところ好評だったため、リリースを目指しました。
マネタイズ部分は後半につけていきました。


今回話すこと

マネタイズについて。
どう収益を上げるかという話をします。


ビジネスモデル

スマホゲームでお金を稼ぐ基本は3つの要素に分解できます
・インストール数
・継続数
・1DAUあたりの収益

 

Tips1 操作をシンプルに

基本の操作をシンプルにすることを意識しました。
母親が何の説明もなしにプレイできるようにすることが目標でした。
ユーザーがなにをすればいいのかわからない状態をなくすことを心がけました。

 

Tips2 ゲームに戻る動機付け

次回ログインのモチベをつければ継続率が上がります。

クールダウン系がおすすめ(一旦時間を置かせる系)
「ログインだけでもしようかな」と思わせるだけでもよい。

ことだま日記ではおつかいシステムやデイリーボーナスなどを実装しました。


Tips3 休憩ポイントをつくる

コンテンツの量は有限、やることがなくなってしまう。
なるべく長く遊んでほしいため(コンコルド効果)、休憩ポイントを設置しました。

ことだま日記ではスタミナ性を取り入れました。
逆にずっと遊びたい人向けの要素もいれました。

 

Tips4 初回プレイは最も継続率に影響を与える

長く遊んでくれる人ほど次の日もやってくれる、そのため1日目が大事。
1サイクル目はサクサク遊んでもらうようにしました。
3サイクル目あたりで休憩が起こるような設計です。


Tips5 1DAUでどれくらい稼ぐのかを想定しておく

理想的なプレイヤーの動きを設定して想定します。
1日のプレイヤーの流れを想像し、どれくらい広告をいれるかを考えました。

 

Tips6 とにかくイベントに出展する

認知度を上げる行為です。利益マイナスになりながら出展しました

メリット

・認知してもらえる(重要) ユーザだけでなくメディアさんなど
・メディアに取り上げてもらえる
・ファンもできる(リピーターやグッズを買ってもらえる)
・フィードバックを得られる

デメリット

・お金と時間がかかる
・グッズなども作ったが効果が数字で見えない

私たちは収益につながると思いやりました。

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初回でこれでした、カジュアルに近づいてもらうことを狙ってブースをセッティングしました。

メディアに取り上げてもらい記事を書いてもらえたりもしました。

 


Tips7 SNSを通じてこまめに宣伝する

効果が見えにくいが見てくれていると信じて活動していました
リリースしたら一気にフォロワーが増えました
フォロワー数の推移はイベントとおおよそ連動していました

ゲーム内でSNSにシェアする機能をいれました

 


まとめ

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今後やりたいこと

課金率が弱いので、着せ替え要素を取り入れたい。
また、課金のジェムの使い道も少ないのでそこも増やす。

 

ske6bento.wixsite.com

 

質問

1.収支が気になる

1DAUは目標通り70~80円くらい。
それにインストール数をかけたものが支出になります。

2. 各イベントごとの客層や得られたもの

デジゲー博は興味なさそうな方が多い。
ビットサミットはカジュアル層が多く、特に女性が多い。

3. 広告出稿の予定はある?

あります、計画を練っているところ。

4. 広告にはメディエーションを使っていますか?

admobやunity adsなどを使っています。

 

 


 

 

 

 

 


2. ガチャのないやさしいせかい - くまのレストランの事例から

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ゲームキャストさんがすでに詳しい記事を投稿しています。

www.gamecast-blog.com

 


今日は大人の話をします。
まずこのゲームは継続率が低いです。

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今回は作家性とマネタイズの話、どう両立させるかという話をします

ガチャのないやさしい世界を実現する選択肢

1. 広告モデル

プレイ体験や世界観を損なってしまう

2. 買い切りモデル

プレイ体験を損ねないが、集客しづらい

3. dlcモデル

今回はこちらを採用しました


このゲームは一本道のゲーム
無料のストーリーと有料のストーリー、そして応援したい人向けのスポンサーシステムがあります。

スポンサーはクレジットに名前が載る特典付き(特典はないよりをつけたほうがいい)

 

 

 

LTVを見積ろう

コンバージョンという概念があります
本編をクリアした50%が虚無編へ、そこからさらに10%がスポンサーにといった流れ

ここでコントロールできそうな数字を探しましょう

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ここから改善できるところを探し実行します。

 

普通は課金しないといけないが、広告をたくさん見ることで解除できるハイブリットモデルをいれました。
案外やってる人がすくないモデルです。
結果20%(6円ほど)アップしました

 


まとめ

・LTVを見積ろう
・コンバージョンを意識しよう
・いいゲームを作ろう

継続率が低くてもきちんと収益を上げることはできます。

 

daigostudio.com

 


質問

1. 食べていけてるんですか?

余裕です。

2.インディーゲームフェスティバル後の変化は?

ちょっと増えたけど、あれは開発者向けや業界向けのものなのでそんなでもない
ただしビジネス的なコネクションができました。

3. 海外のプロモーション方法はどう?

facebook adsを打ちましたが、わりとトントンな結果になりました。
これのいいところは、ゲームに興味をもった人がfacebookページのフォロワーになってくれるので以降のプロモーションがしやすくなるところ。

4. iosandroidの売り上げの割合

iosの方が優位です、iosはすごい。

5. イラストは外注?

ベトナムの友人に書いてもらってます。
もともと友達です、高校や大学の頃の友達とやってます。人を探したことはない。

 

 


 

 

 

 

 

 

 

3. アプリ開発者のためのマネタイゼーション機能

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こういう知識があったらうれしいだろうなといった内容になっています。
今すぐ使わなくても後で思いだしてもらえたらなと。

スライドは後で共有します

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Unity IAP

アプリ内課金システムを簡単に実装できる機能。
プラットフォームの仕組みを利用してお金儲けをしたいときに使います。
これを使わずにやろうとすると、とても大変で面倒です。

対応しているプラットフォームはたくさんあります。
これにプラスしてUDPをサポートします。

UDPとは

ダッシュボートにAPKをアップロードすると、ゲームを配信できるサービス。

APKを作り、ダッシュボードにアップロード。
その後、指定のストアにポチポチするだけで簡単にリリースできます。

どのストアに対してパブリッシュするかを決めパブリッシュするだけ。
これは大変便利でアナリティックスもダッシュボードから確認できます。

現在の配信先

・Catappult(グローバル)
・Moo Store(東南アジア)
・ONE store(韓国)
・JioGamesStore(インド)

詳しくはUDPのマニュアルを見てください

docs.unity3d.com

 

IAPは難しいのか

課金回りのしくみを理解していないと難しいです

コードを書かずともできる仕組みはあります
マニュアルだけでなくチュートリアルの動画があるので見てください

docs.unity3d.com

やっぱりよくわからん

中の人が作ったサンプルプロジェクトがあります

https://bitbucket.org/Unity-Technologies/unity-iap-samples/src/master/

IAPは活発に議論されています
問い合わせはフォーラムが一番早いです(重要)

 

 

 

Unity Ads

広告を表示、アプリの収益化を図る仕組み
ユーザーがリワードをもらえる仕組みも作れる

どんなときに有効か

無課金ユーザーをマネタイズしたい時(無課金ユーザーがほとんどだと思います)
・リワードをあたえることで継続性をあげたいとき
・リワードによって課金アイテムの価値を上げたいとき
・アプリ内課金だけだとやばい時

どんなユーザー層に効果的?

F2Pで課金するユーザーは1割未満、他の9割はマネタイズできていない。
動画広告などで全てのユーザーを収益化できるのがADSのすごいところ。

収益化のポイント

ステージをクリアして報酬をもらい、それを使いレベルアップするというのが、ゲームサイクルの基本だと思います。

しかし、"報酬が足りなくてレベルアップできない"、"クリアできなくて報酬すらもらえない"時がゲームを中断するポイント。
そこで、お金の力や広告を見ることで解決しますよとささやきかけるのが上手な広告です。

 

リワードによって課金アイテムの価値を上げる

課金ユーザーと無課金ユーザーの差は圧倒的。
それに対して、広告リワードを与える(ただし課金アイテムよりちょっと性能は下げる)
ことで無課金の人のモチベーションを上げることができる。
課金アイテムの価値は無課金ユーザーに"越えられないもの"と示す基準となります。

実装

サンプルコードがあります。
アセットストアかパッケージマネージャからインポートしましょう。
少なくともインポートやマニフェストまわりで躓くことはないかと思います。

SDKのバージョン

3系は名前空間が増えています、使い方が少しだけ違います。2系とも互換性はちゃんとあります。
ただしよくアップデートがあるので、できるだけ内臓のものだけでなくアセットストア、
またはパッケージマネージャのものを使いましょう。今はパッケージマネージャの方が楽です。

 

メディエーションが使いたい

がんばれ

使った方がいい?

メリットデメリットがちゃんとあります。

デメリットはSDKの実装自体が複雑、初期化時のオーバーヘッドも。
長く運用するのであれば、UnityAds一本で済ませた方がいいのではないかと思います。


バナー広告

ADSにはいってはいるが、日本においてはバナー広告自体あまりでない
そのためコスパは悪い。

フィルタリング

ダッシュボード側でフィルタリングは可能
カテゴリや年齢ごとなど表示させたくないものは制限できます

ADSの入稿審査のポリシー

相応しくないと判断したものはブロックしています。これはかなり厳しめ。
なので安心して使っていただけると思います。
ただし、我々が審査していない部分(中国経由など)でポロリすることもあります。

 

 

IAP Promo

既存の課金アイテムをゲーム内の広告枠に表示する機能。
ストアみたいな画面を作るのではなく、ユーザーに役立ちそうなものをポップアップで表示してあげる。
IAPとADSがあればすぐに使うことができます。

プロモーションの期間やターゲッティング(特定の課金額以下のユーザーだけなど)を細かく設定可能。
無課金重課金で表示するものを変えることができます。


設定方法はマニュアルをご覧ください
UnityBlogでも解説されています

blogs.unity3d.com

 

 

Cross Promotion

まだベータ版です、同じ組織内にある別ゲームの動画広告を入れる機能、つまり自社広告を出せる。
現在はadsのバックフィルとして機能します。将来的にはこれ単体で動くかも。

どんな時に使うか

・複数のアプリを公開しているとき
・新作アプリに誘導したいとき
・広告在庫が気になるとき

使い方はガイドがあるので見てください。


ラッキングツールを組み込む必要がありますが、Unityは提供していません(公平性のため)
なのでサードパーティのものを使ってください。

 

 


ここからは裏で動いているUnityの技術

Unifired Auction

実はアプリの裏側で、どれが一番儲かる広告なのかをリアルタイムでオークションしています。
広告在庫を持っている多くのパートナーと連携しています。

やってくれていること

広告在庫をあつめてくれる。
その中から収益につながるものを選んでくれる。
選ぶ基準は過去のデータから機械学習で決定されています。

 

 

Personalize Placement

ひとりひとりのプレイヤーに対して、機械学習ベースで「動画広告」「課金アイテムの紹介」などを出してくれる。
プレイヤーにマッチした広告ソースを選択して表示してくれる。

 

 

まとめ

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質問

1. adsで同じ広告ばかり表示されますが、設定できますか?

できないです。ごめんなさい。

2. unity collaborateでブランチは切れない?

将来的にブランチが切れるようになります。

3. リモートプッシュの導入予定はありますか?

いまのところないです。

4. 広告を入稿することはできますか?

できます、ご相談ください。



 

 


 

 

タイムライン

 

 

 

 

ゲームキャストさんで早速記事が上がっています。

www.gamecast-blog.com

 

 

 

去年に行われたUnity課金&広告完全に実装した勉強会に通じる箇所がいくつかありました。併せてどうぞ。

raspberly.hateblo.jp

 

 

 

間違っている箇所、消してほしいツイートがありましたらコメントにお願いします。