Raspberlyのブログ

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Unityネタをメインとした技術系ブログです。にゃんこ大戦争や日常なども。そろそろブログタイトル決めたい

『Recolit』感想と考察

ゲームの感想と考察(解釈)記事。
今回遊んだゲームは『Recolit』です。

image-labo.com

 

どんなゲームか

 

不思議な夜の街で明かりをたよりに探索するアドベンチャーゲームです。
ゲームダンジョンで体験したことがあります。

 

あまりにも素晴らしいゲームだったので、感想・考察記事を書いちゃいました。

 

 

 

 

以下ネタバレしかないので未プレイの方はご注意ください。
まだの方は静かな夜にプレイすることをオススメします。

 

 

 

感想

ノスタルジックなストーリー

舞台は不思議な雰囲気の夜の街
幽霊のような登場人物たちのお願いや悩みを解決して物語を進めます。
主人公の目的は明かされず、町や駅など複数のロケーションを探索します。

最初は星に不時着した宇宙飛行士のお話かと思いきやそうではなく、
プレイする人の解釈にゆだねられるストーリーになっています。

 

考察であれこれ言ってますが、
そういうのを気にせず夜の雰囲気を楽しめるゲームです。

 

 

ドット絵・雰囲気

一目でわかる要素。
このゲーム、ドット絵と雰囲気作りがとてつもなく最高
どこをとっても絵になる。

 

光の表現がとくにきれいで、夜だからこそ映える

ロケーションもたくさん
生活感のある家の中や、展示物がたくさんある科学館など

 

 

インタラクトが豊富

攻略と関係ないものも含めてプレイヤーがインタラクトできるオブジェクトが豊富。
主人公の子供らしいコメントもありほほえましい。

 

特に意味はありませんが、オブジェクトをあちこち持ち運べるのも楽しいですね。
↓これはお茶の淹れ方がわからず、シャワーからお湯を注いでる場面

湿気でお風呂の照明がぼんやりしている表現すごくない?

 

 

 

 

考察

自分なりの解釈と想像を置いておきます

テレビの内容

ゲーム内に登場するテレビには、ロケットの発射成功と宇宙飛行士のインタビューが映っていました。
この宇宙飛行士は「子供の頃から宇宙に行くのが夢だった」と語っています。
同じ夢を主人公も持っていました。

 

これは、主人公の「自分もこうなりたかった」という思い、
あるいは「昔のことを思い出すきかっけになった」ものとして表されているのかなと。

 

 

 

光が当たると消えるもの

ゲーム内では光が当たると消えるオレンジ色の存在があります。
主に人物と一部のオブジェクトですが、なぜ光があたると消えるのか。
これらは「今はもうないもの」を示唆していると思いました。

 

人物であれば、今は離れて暮らしている人、なんとなく疎遠になった人など。

 

人物以外には3つのオブジェクトがこれに該当します。
土星天体模型無人探査車

 

これらの共通点は「宇宙に関係する」「科学館の奥に展示されていた」です。


科学館の奥は、主人公が少女と一緒に宇宙飛行士を目指すことを決めた場所でもあります。
つまりこれらは「宇宙飛行士の夢」を象徴するものであり、光が当たると消えるのは、
その夢はもうなくなっていることを表しているのではないかと。

 

明りに関する3つのオブジェクト

先ほど紹介した3つのオブジェクトは、明かりに関するギミックとして配置されています。
調べるとこんな文章が出ます。

 

これはなんでしょう。
暗号のようですが、科学館にある実物と比較するとこんな感じ。
ランダムな文字に置き換えられているだけっぽい。

主人公は「宇宙飛行士の夢」を忘れてしまったため、これが何なのかわからなかったのかも。

 

 

主人公が落としたものと来たかった場所

落とした(忘れてた)ものは「宇宙飛行士になりたかったという夢

行きたかった場所は「少女と一緒に星が見られる場所

 

「ここにくるまでに、なにかだいじなものを落としてきた気がする」

大人になっていくにつれ、忘れてしまったという意味。

 

 

 

科学館クリア後の独白

ここの独白シーン

  • 「ここに来たかったわけじゃない」
  • 「これじゃなんの意味もない」
  • 「やっぱり、ここには何もない」

これらは、過去の思い出の中に留まっていてもなんの意味もないことを表していると感じました。
「やっぱり」というあたり本人も薄々気づいていたのかも。

 

  • 「あの星には、何もかもあったのに」

「あの星」というのは誕生日の寸劇で登場した星のことだろうか。
今はもうない夢も、あの頃はまだあったのにという意味かも。

 

 

主人公の荷物整理

科学館クリア後、現実世界に意識が戻ってきた主人公が行う荷物整理について。

  1. 花火
  2. 交通系ICカード
  3. 科学館のスタンプカード
  4. 貯金箱

 

交通系ICカードはこの辺じゃ使えないということから、
子供のころ住んでいた場所と今住んでいる場所は離れていることがわかる。

 

スタンプカードに1つしかスタンプがないこと、「いいもの」がなにか知らないことから、
科学館ステージでスタンプカードを全て集めてたのはそういう風になったらいいなという願望・妄想が含まれていたことがわかる。

 

全ての荷物を残せない(箱の容量に限界がある)のは、思い出を全て持ったまま生きてはいけない、
大切な思い出もいつかは忘れる(捨てる)時がくるというメッセージかも。

 

 

 

すいみんするエンディング

このゲームにはルートが2つあります

  • よふかしするルート
  • すいみんするルート

荷物整理の時、最後の絵を捨てるかどうかでルートが分岐します。
絵を捨てると「すいみん」ルートに入り、家ステージには行かずエンディングです。

思い出を捨てて眠る、スタッフロールで思い出が消えていく演出もあり、
一見バッドエンドっぽいですがそうではないと思いました。

 

 

「いまはそれが、心地いい」という穏やかな気持ち。

温かいと冷たい」という言葉から、楽しい思い出もあれば悲しい思い出もあるということ。
科学館クリア後の独白もあり、思い出に囚われず過去を捨てて生きていくことは決して悪いことではないというメッセージではないかな。

 

 

 

つまりこのゲームは

引っ越しを控えた主人公が、荷物整理をしている時に懐かしい品々を見つけ思い出に耽る。
「昔住んでいた町」「海で花火をした思い出」「電車に乗った思い出」「科学館に行った思い出」...

 

そのうちかつて「宇宙飛行士になりたい」という夢を持っていたこと、その夢を持ったきっかけを思い出す。

 

という物語を描いたゲーム。

 

 

タイトルの意味

Recolit』とというタイトルはどういう意味でしょう。
こちらの開発者コメントから引用してみます。

『Recolit』というタイトルは「再び」を意味する「Re」、「"Co"llect」、lightの過去系である「lit」を組み合わせた造語です。私はゲームで遊ぶと本筋よりミニゲームやサブクエストなどに夢中になってしまうタイプで、そうした"ちょっとした楽しみ"が続くようなゲームにできれば、という思いで制作しています。ストーリーは意図的に語りすぎないようにしていますので、遊んでくださるみなさん自身の思い出などをあてはめながら自由に解釈して楽しんでもらえたらと思います。

「Re+Collect+Lit」の造語とありますね。
Litはいろいろ訳せそうですが、Re(再び)+Collect(集める)+Lit(思い出)というようにもできそう。

 

「よふかし」ルートは、過去の思い出を集める
「すいみん」ルートは、過去の思い出を全て捨て、新しい思い出を集めていく

という解釈。これだと「すいみん」ルートの方が前向きな気もしますね。
このルートのスタッフロールは、背景の街並みも含め全て消えています。
まっさらな状態から再スタートするという意味があるのかも。

 

キャッチコピーなどにある「どこにでもある町」というのは、
誰もが心の中に持っている心象風景とかそういう感じ。

 

 

みなさん自身の思い出などをあてはめながら

というところもミソですね。
このゲームでノスタルジーを感じた人は多いはず。
主人公がゲーム内でしたように、プレイヤーもゲームをプレイしながら自身の思い出を集める
そういうところにも『Recolit』というタイトルの意味があると思います。

 

 

 

自分はどんな夢を持っていただろうか、自分のとって大切な場所はどこだったか、
誰と何をして遊んでいたか、
「○○に行った」「学校で...」「友達の家で...」「秘密基地で...」「近所のたまり場で...」..........
大人になるにつれ忘れていた事・物・場所・感覚などを思い起こさせるゲーム

 

それがこの『Recolit

 

 

 

 

クリア後、しばらく子供のころの思い出に耽ってしまいましたね。
アルバムを開いてみたり、昔大事にしてた物が残ってないかと押し入れを探してみたり...

 

 

 

 

一番好きなロケーション

このゲームはいろいろなロケーションがありますが、
その中でも一番好きなロケーションが科学館ステージの探索不可エリア

科学館は下の階から順番に探索していく必要があり、
十分に探索し終えていない状態で上の階に行くと、このエリアに到達します。

 

メッセージで戻るよう言われますね。

 

 

子供のころ、科学館やそれに近い施設に行った時、
一緒に来た友達や家族を置いてどんどん奥に進んでいった経験ってありますか?

 

ふと気づくと、誰もいない静まり返ったエリアに来てしまい。
来ちゃいけない場所に来ちゃったかも」「入っちゃいけないとこに入っちゃったかも
という焦りや孤独感を感じた記憶があります。

 

そういう意図で作ったエリアではないと思いますが、この場面でものすごく久々にその感覚を思い出しました。
これも私だけの思い出(Lit)。ずっと忘れてた思い出。
このゲームをプレイしなかったら落としたままだった思い出

 

 

 

おまけ

過去のイベントで撮影した写真とか載せておきます

 

記念ポスター

2月に東京さくらトラム都電荒川線)で掲載されていたポスター

駅周辺の雰囲気も良い。

 

 

宇宙服着たままお風呂入るの!?

 

 

 

ヨカゼの公園

8月に渋谷PARCOで開催された「ヨカゼの公園」


Recolitの資料が展示されていました

 

 

グッズもいろいろ



 

 

 

 

 

以上です